Z世代とインフルエンサーの関係から考える!Z世代マーケティング戦略

Z世代とインフルエンサーの関係から考える!Z世代マーケティング戦略

Date : 2023/10/31

本記事では、Z世代が絶大な信頼を寄せるインフルエンサーを活用したインフルエンサーマーケティングの成功事例に焦点を当てて解説します。

「インフルエンサーマーケという言葉は聞いたことがあるが、どのように活用すればよいのかわからない」「Z世代に有効なプロモーションが何か把握できていない」等のお悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事で分かること

  • インフルエンサーの概要と3つのタイプ
  • インフルエンサーがもたらす商品購入への影響と理由
  • 3つの事例から分かるインフルエンサーマーケティングのポイント

Z世代とインフルエンサーに関連したお役立ち資料は下記からご覧いただけます。
お気軽にダウンロードくださいませ

インフルエンサーとは何か

インフルエンサーの概要や種類

影響や勢力を意味する単語「influence」を語源とするインフルエンサーは、世の中に大きな影響を与える人のことを表します。デジタル大辞泉(小学館)によると、「《影響、感化、効果の意》他に影響力のある人やもののこと。特に、インターネットの消費者発信型メディア(CGM)において他の消費者に大きな影響を与える人」と定義されています。

また、YouTuberやInstagramer、TikTokerなどSNSでのフォロワーが比較的多い人を総称するだけでなく、プラットフォームを横断的に活用している人をインフルエンサーと呼ぶことが多いです。

インフルエンサーは、大きくナノインフルエンサー、マイクロインフルエンサー、トップインフルエンサーの3つに分けて考えることができます。

①ナノインフルエンサー(参考フォロワー数:1000人~1万人程度)

1000人から1万人程度のフォロワーを抱えており、特定のコミュニティでの影響力が高いと言われているインフルエンサーをナノインフルエンサーと呼びます。他のインフルエンサーと比較すると、フォロワーとのコミュニケーションのハードルが低く、距離感を近く感じることができるため、エンゲージメントの高いフォロワーを抱えていることが伺えます。

②マイクロインフルエンサー(参考フォロワー数:1万人~10万人程度)

1万人から10万人程度のフォロワーを抱えており、特定の分野に特化していることが多いため、専門家として信頼感があるインフルエンサーをマイクロインフルエンサーと呼びます。他のインフルエンサーと比べ、分野に特化した投稿が多い傾向にあるため、もともとその分野に興味関心が高いフォロワーが多いと言えるでしょう。

③トップインフルエンサー(参考フォロワー数:10万人~100万人程度)

10万人から100万人程度のフォロワーを抱えているインフルエンサーをトップインフルエンサーと呼びます。フォロワー数が多くリーチできる範囲が広いため、話題を作りやすい傾向にあります。中にはテレビや雑誌などにも露出し、SNS以外のメディアで活躍する人もいるため、影響力はさらに拡大し、多様な層から認知されている傾向があると考えられます。

引用元:インフルエンサーとはどんな意味?定義・種類・媒体別特徴などインフルエンサーのいまを解説!

商品購入に対するインフルエンサーの影響

「インフルエンサーの投稿」がきっかけ商品を知り、購入した人は35%以上

Glossom株式会社が全国の10代~70代の男女10,000名を対象にした調査によると、「商品・サービスを購入する際に、知るきっかけとなる情報源は何か」という質問に対して10代~20代の女性の35%以上が「SNSのインフルエンサーの投稿」と回答しています。その中でも10代女性は、「SNSの一般人の投稿」と回答した人数を上回っており、その傾向が顕著になっています。

10代は20代と比較して、より幼いころからインターネットやSNSが普及している世代であり、SNSから受けた影響が大きいため、このような結果になったと言えるでしょう。

引用元:【ソーシャルコマースに関する定点調査】購買にあたって商品を認知する際の情報源ではECサイトがテレビ番組・テレビCMを抑えてトップ、若年層では購買行動におけるSNSの存在感も増大

また、男性と比較しても女性の方が若年層を中心にインフルエンサーの影響を受けやすい傾向にあるため、若年層の女性向けにリーチしたい商品やサービスをお持ちの企業は、積極的にインフルエンサーマーケティングを知り、力を入れるべきではないでしょうか。

コスメなど女性に人気の商材の購入に影響を与えるインフルエンサー

また、インフルエンサーに影響を受けると回答したユーザーを母数とした同調査によると、回答数が多かった商材は、健康食品、衣服・ファッションや化粧品などでした。

引用元:【ソーシャルコマースに関する定点調査】購買にあたって商品を認知する際の情報源ではECサイトがテレビ番組・テレビCMを抑えてトップ、若年層では購買行動におけるSNSの存在感も増大

先ほどの調査でもあった通り、やはり若年層の女性をメインターゲットとしている商品とインフルエンサーマーケティングの相性が非常に良いことがわかります。

一方、自転車やバイクなどに関しては、インフルエンサーの影響力が弱く、あまり購入に影響がないことがわかります。これらは、健康食品やファッション、化粧品などと比較すると、高価であり、購入する際にはより多くのリサーチと検討が必要であるため、単なるインフルエンサーの推薦だけでは購買に至らない可能性が高く、行動変容につながりづらい傾向にあると考えられます。

インフルエンサーが紹介する商品を購入する理由

使用感を分かりやすく知ることができるインフルエンサーの発信

同調査データの別項目「インフルエンサーに影響を受ける理由」に関する調査によると、「使用感が紹介されているから」「口コミ(リアルな声)を知ることができるから」などという回答が上位を占めています。これら2つの理由から、共通してインフルエンサーという第三者を通して商品やサービスの理解を深める行動が見られます。

また、15~19歳、20代は他世代と比較して「そのインフルエンサーが好き、信頼しているから」という回答の割合も高いという結果になりました。若年層においては、インフルエンサーが持つ価値観やライフスタイル、さらにその人物自体に対する信頼や共感が情報の受け入れ方に大きく影響していると考えられます。

生活者は企業から発信された一方通行のマーケティングメッセージのみで購買の意思決定をすることが難しくなっているのかもしれません。消費者により近い立場であるインフルエンサーから発信された体験談や評価などのクチコミを重視して商品の価値を見極めるということを意識してマーケティング戦略を考える必要がありそうです。

<関連記事>
3000件の調査データから見るZ世代の商品選びの特徴と世代比較
Z世代マーケティングとは?新消費行動モデルEIEEBと事例で解説

同じ骨格やパーソナルカラーのインフルエンサーを参考に購入する事例

国内最大級の美容プラットフォーム「LIPS」には、美容系YouTuberなどコスメを軸に活躍するインフルエンサーが口コミレビューを投稿しています。LIPSで活躍するインフルエンサーのプロフィールには、性別や年齢だけでなく、自分の肌質やパーソナルカラー、骨格タイプなどが記載されており、ユーザーは自分のタイプと同じインフルエンサーを参考にコスメの購入検討をすることができます。

引用元:LIPS 美容・コスメの専門家・ユーザー

また、YouTuberの中には、自身の骨格やパーソナルカラーを動画内で伝えたうえで商品紹介するというように、視聴者が購買する際に参考にすることを意識したコンテンツ制作を行う人も少なくありません。

実際にインフルエンサーのメイク動画のコメント欄には、「パーソナルカラーが同じなので参考にしている」という内容がいくつか見受けられました。このように、趣味嗜好だけでなく、自分のパーソナルカラーや骨格タイプに近しいインフルエンサーは、コスメやファッションの購入の参考材料となっていることがわかります。

企業がインフルエンサーマーケティングに取り組むべき理由

ターゲティングのしやすさ

企業がインフルエンサーマーケティングに取り組むべき理由の一つとして、ターゲティングのしやすさが挙げられます。インフルエンサーは自身のSNSで、フォロワーの年齢、性別などのデモグラフィックデータや投稿したコンテンツに対するリアクション(いいね、コメント、シェアなど)の数字をフォロワー数で割って算出するエンゲージメント率を把握することが可能です。そのため、インフルエンサーは自身のフォロワーにどのようなコンテンツが刺さるか考えながら投稿することができます。

また、インフルエンサーは芸能人と比較して、フォロワーとの距離が近くコミュニケーションの頻度も高いため、フォロワーがどのような投稿を求めているか把握しやすい傾向にあります。
自社の商品やサービスが響き、共感してもらえるようなフォロワーを持つインフルエンサーにプロモーション依頼をすることで、コンバージョン率を上げることができるのではないでしょうか。

インフルエンサーに影響を受ける方はPR投稿と一般投稿の両方を参考にする

「影響を受けるインフルエンサーの投稿タイプ」について調査したデータによると、男性女性ともにどの世代も「PR投稿と通常投稿の両方を参考にしている」と回答している人が多いという結果になっています。PR色があると発信した情報を見てもらえないイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、特に10代20代を中心にPR投稿と通常投稿の両方参考にしていると回答した人の割合が多く、Z世代はPR投稿も通常投稿と同じ信頼度で参考にしているということがわかります。

インフルエンサーの中には、案件であっても自分たちがよいと思ったものしか紹介しないと明言している人もおり、ファンとインフルエンサーとの信頼関係が構築されているということが理由の一つとして考えられます。

インフルエンサーマーケティングを活用したマーケティング成功事例

Qoo10:eBay Japan合同会社

いまや、40歳以下の女性の80%以上が知っているというまでに成長しているQoo10。EC市場の平均成長率約9%に対し、Qoo10は20~40%と高い成長率を誇っています。

その成長率の背景には、Z世代を中心としたSNSやインフルエンサーマーケティング戦略があります。Qoo10のプロモーション動画は、インフルエンサーがQoo10を通して購入できる商品を紹介する動画がメインとなっており、このようなユニークなプロモーション手法は、視聴者に対してPR色が薄まる印象を与えています。
また、インフルエンサーがメガ割で購入した化粧品のレビューやメガ割で買うべき商品○○選などのUGCコンテンツも増えており、若年層の信頼を得ることができているのもQoo10の戦略の特徴だと言えます。

このように特定の商品に関するプロモーションを全面に押し出すのではなく、インフルエンサーが能動的に紹介しやすいようなコンテンツになるようにプロモーションを設計している点が若年層に刺さっているポイントと考えられます。

焼肉一心たん助:株式会社Globridge

牛タン専門店のECサイトは、実店舗を持つ強みを生かし、売り上げを徐々に伸ばしています。特に、マイクロインフルエンサーを中心に認知を拡大し、ファンを増やし、リピーター獲得に注力しています。

インフルエンサーが常連客になるように、インフルエンサーとのコミュニケーションを丁寧に密にとることで、インフルエンサーに情報発信の頻度が増えることもあるそうです。

インフルエンサーが自主的に投稿してくれるための仕掛けも行っており、実店舗でもECでの商品も、写真を撮りたくなるような見た目にしたり、焼く前に撮りたくなる盛り付けにしたりしているそうです。

インフルエンサーが能動的にプロモーションに協力したくなるような設計をすることで、UGCが生まれやすくなるようにしている点が特徴的な事例です。

SHEIN:ZoeTop Business Co.,Ltd

SHEINはZ世代から強く支持されている中国のファストファッションブランドで、世界150カ国で展開しており、売上は2兆~3兆円と言われています。日本でもZ世代から熱く支持されており、世界で展開する有名アパレルブランドを超える勢いで成長しています。

SHEINは、YouTubeをはじめとした各SNSでインフルエンサーを起用したプロモーションを横断的に実施している点が特徴です。先ほどのQoo10の事例と少し似ていますが、インフルエンサー自身がSHEINで購入した商品を紹介する動画がメインとなっています。プロモーションをしたインフルエンサーごとにプロモーションコードが発行され、それを利用して購入すると割引を受けられるという仕組みです。

インフルエンサーが紹介したコーディネートを参考に購買検討する視聴者は、概要欄や投稿のキャプションに掲載されているリンクに遷移し、すぐに購入することができます。このように購買に至りやすい導線が作られている点も戦略の一つとして考えられるのではないでしょうか。

まとめ

本記事では、Z世代の価値観や消費行動への影響、Z世代マーケティングの成功事例をご紹介しました。Z世代は新しいトレンドや価値観の形成に影響力を持ち、デジタルネイティブとして多様な消費行動を展開しています。

この世代を無視すると、未来の市場での成功を逃すリスクが高まります。特に、Z世代はインフルエンサーに信頼を寄せている方も多いため、効果的に生かしていく必要があります。
自社のZ世代マーケティングの効果を最大化するためにも、本記事の内容を参考にしてみてください。

関連資料も無料で配布しております。ご興味ある方はぜひ下記よりダウンロードください。

企業におけるTikTokマーケティングと Z世代向けPR手法

本資料では、クリエイターを起用したTikTokの最新事例について活用ポイントを詳しくご紹介します。TikTok活用やインフルエンサーマーケティングを考えるヒントとしてぜひお役立てください。

SNSマーケティング事例集 無料ダウンロード
SNSマーケティング事例集 無料ダウンロード
コラム一覧に戻る

動画でSNSを学ぶ

募集中のイベント情報

募集中

にわかファンがUGC創出のカギ?SNSコンテンツ・活用戦略

近年、顧客ニーズの多様化や人口減少に伴う市場の縮小により、 新規顧客の獲得がますます難しくなっています。 また、情報過多の時代において消費行動の選択肢が増え、 ブランドへのロイヤルティが低下する傾向にあります。 これらの課題を解決する方法として重要性を高めているのがファンマーケティングです。 企業とファンが一体となり、深い関係を築くことで ロイヤルティの向上や共創関係の構築、その先の新規ファンの獲得などが期待できます。 実際にファンマーケティングを行う企業が増えている一方で、 ファンへのアプローチに対して自社に適した方法が分からない、 どんな効果があるのか見えていないとお悩みの方も多いのではないでしょうか? そこで、本カンファレンスではファンマーケティングの手法として用いられる 「SNS」「コミュニティ」「動画」「OMO」の4つのセッションテーマを設け、 各手法のファンへのアプローチにおける考え方や施策のポイント、事例をご紹介します。 視聴者の皆様が自社に適したファンマーケティング手法を見つけていただくことをゴールに 事業成長に繋がるファンマーケティングを解説いたします。

開催日 : 2024/10/15