Z世代マーケティングでおさえるべき消費行動の特徴と成功事例
Date : 2023/10/05
本記事では、Z世代の消費行動やZ世代マーケティングの成功事例に焦点を当てて解説します。
「Z世代マーケに取り組みたいが、何から始めればいいかわからない」「Z世代に向けて商品を売る必要があるが、どのようなプロモーション戦略を考えればいいのかわからない」等のお悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること
- Z世代マーケティングに取り組む意義
- Z世代の購買体験における特徴・価値観
- 4つの成功事例から分かるZ世代マーケティングのポイント
Z世代の消費行動に関連したお役立ち資料は下記からご覧いただけます。
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本資料は、Z世代400名を対象に商品を認知してから購入、シェアするまでの各フェーズの利用率を11の媒体で調査し、Z世代の消費行動を定量的視点でまとめています。
Z世代マーケティング戦略を考えるヒントとしてぜひお役立てください。
目次
Z世代マーケティングに取り組む重要性
Z世代とは?Z世代の意味・定義
Z世代とは、1995年から2010年までに生まれた人の世代のことを指します。(当社定義)
昨今、新しいトレンドや価値観は、Z世代を中心に急速に変化しており、この世代を無視することは、未来の市場を見過ごすことに等しいとも言えます。
このような流動的な時代において、従来のマーケティング戦略だけでは新規顧客を獲得するチャンスを逃す可能性が高くなっています。Z世代マーケティングを成功させるためには、彼らの価値観や消費行動に対する影響をしっかりと把握する必要があります。
Z世代の価値観と消費行動への影響
Z世代が商品を購入する際の動きにはどのような特徴があるのか?
ここでは消費行動の中で「情報接触・取得」「ブランド理解・購買検討」「ブランドとの継続的なつながり、共有」に焦点を当てて彼らの特徴をご紹介します。
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・3000件の調査データから見るZ世代の商品選びの特徴と世代比較
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Z世代の「情報接触・取得」は受動的情報をコントロール
Z世代とそれ以前の世代との間には、価値観や消費行動において顕著な違いがあります。
まず、世代間での価値観の違いを基に、Z世代の価値観や消費行動の特徴について詳しく解説します。
海外データにはなりますが、SurveyMonkeyの調査によると、Z世代の上の代に当たる1981年~1995年生まれの25歳~41歳の「Y世代」や1965年~1980年の42歳~57歳の「X世代」は、Z世代よりも情報の接触・取得は主にマス広告やネット検索に依存しています。
これらは企業主導の情報提供であり、受動的な情報取得が多く、詳細な情報を取得する段階でようやく、消費者がコントロールを握る場合が多いです。
引用元:Momentive study: Gen Z social media and shopping habits
また、Z世代はデジタルメディアとSNSを主要な情報源としており、受け取る情報を自分でコントロールする傾向にあります。SNSはユーザーが検索した結果を学習し、ユーザーに合わせてレコメンドされますが、Z世代はさらに一歩進んでいます。
彼ら彼女らの中には、アルゴリズムを「ハック」して、特定の興味や好み、例えば自分が応援しているアイドル、自分好みのコーディネートなどが頻繁にフィードに表示されるように操作する人も少なくありません。
下記のグラフをご覧ください。
こちらは現役大学生を対象にSNS活用の意識調査をしたものですが、
「ブランドや商品に関する情報収集としてSNSを活用したことがありますか?」という質問には91%の方が「SNSを活用したことがある」と回答しています。 また、「自分好みのブランドや商品がSNS上でレコメンドされるように配慮するか」という質問には55%が「配慮する」と回答しており、Z世代のSNSリテラシーの高さが伺えます。
このような世代間の違いは、マーケティング戦略においても大きな影響を与えます。
他世代では一方的な情報提供が主流であったのに対し、Z世代は能動的に情報を取りに行きます。このように、企業はZ世代に対しては、よりパーソナライズされた情報提供やインタラクティブなコンテンツが必要とされます。
Z世代の「ブランド理解・購買検討」は”自分に合うか”が重要指標
Z世代が商品・サービスを購入するときの重要な判断基準は「自分に合うかどうか」です。
彼らは絶対的な考え方を持っており、多くの人が使っているからといってその商品やサービスが自分に合うわけではないと考えます。
商品やサービスの機能性や価格だけでなく、そのブランドが持つ「ストーリー」や「価値観」にも強く影響を受け、親近感を持てるか、共感できるかが重要な指標となります。例えば、ブランドが環境に配慮しているか、社会貢献をしているかなど、その「ストーリー」がZ世代にとっては購買の決め手となることも多いです。
Z世代の「ブランドとの継続的なつながり、共有」のモチベーション
Z世代に注目が集まる理由の一つとして挙げられるのが、彼らのSNSネイティブとしての発信者の性質です。ブランドからの発信だけではなく、利用者からの自発的な情報発信を促すことができればブランド伝達を広く行うことができるでしょう。
2022年に行われたインテージのネットリサーチによる自主調査によると、Z世代は他世代と比較して商品購入後に情報発信をする傾向が強い傾向が分かります。
特に「満足感を得られるもの」「安くて経済的なもの」「自分にとって必要なもの」「自分に合っているもの」がZ世代の傾向として挙げられることから、自分の価値観やライフスタイルに合う商品かどうかを重視し、コストに対して高い満足を感じた場合にシェアが活発化するのではないでしょうか。
また、「情報発信をすることで周囲から信頼される」と感じている割合もZ世代が最も高く
周囲との関係性の中で情報発信するモチベーションが他世代に比べ高いことが分かります。
Z世代の消費行動をより詳細に知りたい場合は下記のお役立ち資料をご覧ください。
Z世代の消費行動に合致した成功事例
ブランド理解~購買検討に貢献した事例
事例①:大塚製薬株式会社 カロリーメイト
1つ目は、部活モチベーションムービー「夏が始まる」編をTikTokで公開し、話題になったカロリーメイトです。
コロナ禍でインターハイの中止や休校など学生の日常にも影響がありました。そのような学生の気持ちに寄り添った共感性と熱量の爆発を疾走感あふれるアニメーションで表現しました。
X(旧Twitter)やYouTube、TikTokなど様々なSNS、プラットフォームを中心にWeb動画を公開すると、学生時代に思い悩んだ経験を重ね合わせたZ世代を中心に、深い共感を生み、好意的なコメントが多数寄せられました。
下記は大塚製薬 宣伝部の方のインタビュー記事からの引用になります。
大人の世界を描いても、中高生などの若い世代はピンと来ない。消費者に寄り添うブランドとして認知してほしいというのが大きな願いとしてありますから、こうして幅広い方々に共感を持ってもらえる受験をテーマにすることが多くなったんです。
引用元:長く続いているからこそ、共感を大事に。 カロリーメイトのクリエイティブの“底力”。
事例②:株式会社サンリオ 商品企画部
2つ目は、推し活をするZ世代に向けたコンテンツを発信するサンリオ商品企画部のTikTokアカウントに関してご紹介いたします。11万フォロワーと累計200万いいねを達成し、視聴者の64%がZ世代であるという成功を収めています。
サンリオは、商品のアピールだけでなく、Z世代とのコミュニケーションを重視することでフォロワーとの距離を縮め、親近感を感じるZ世代が多数います。
特に、「推し不在」の誕生日会や推し活で使えるグッズ紹介など、Z世代の文化や価値観に寄り添ったコンテンツを提供しています。
これにより、Z世代からは「平和な会社」「私もサンリオで働きたい」といった好評のコメントが寄せられ、ブランドに対する親近感や共感が生まれています。
下記はサンリオ企画部の方のインタビュー内容の引用になります。
私たちは商品企画部なので、商品のアピールがSNS運用のミッションです。しかし、宣伝的な商品訴求は楽しさや面白さが重視されるTikTokでは、どうしても敬遠されてしまう。ユーザーの1人のような立ち位置を心がけ、『私たちもちょっと混ぜてね』と一緒に楽しみながら、結果的に商品にも気付いてもらえたらという気持ちで投稿しています」
引用元:Z世代が「キティひとすじおじさん社員」や「推し不在の誕生会」に反応、“企業TikTok”成功の秘訣
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・TikTok運用事例6選|企業アカウント成功のコツ・実施の流れを解説
ブランドとの継続的なつながり、UGC創出に貢献した事例
続いて、Z世代が選ぶ2022上半期トレンドランキング1位、2位に輝いた大人気コスメのマーケティング事例をご紹介いたします。
事例③:TIRTIR.INC クッションファンデーション
1つ目の成功事例は、韓国のコスメブランドTIRTIR(ティルティル)のクッションファンデーションです。
この製品は、韓国コスメや若者向けのアパレルを中心に販売するECモールQoo10のメガ割キャンペーンに合わせてTikTokでのプロモーションを展開し、初日で販売目標を達成するという驚異的な結果を出しました。
この成功の背景には、マイクロTikTokerによるレビュー投稿が大きく影響しています。
TIRTIRは有名人や大物インフルエンサーではなく、マイクロTikTokerを積極的に起用しました。
これにより、身近な存在として信頼される口コミが広がり、特にZ世代からの注目を集めました。動画制作においても、ブランドが伝えたいことを詰め込んだ広告コンテンツになってしまわないよう、商品特性を効果的に伝えつつ、インフルエンサーの個性や魅力が活きるようなディレクションが施されました。
このような戦略により、TIRTIRは「TikTok売れ」を巻き起こし、短期間で高い販売成果を上げることができました。
事例④:株式会社カネボウ化粧品 KATE リップモンスター
2つ目は、2022年のベストコスメ・バズコスメの1位に輝いたKATEのリップモンスターです。
リップモンスターの製品発売は、X(旧Twitter)を中心に大きな話題となりました。
発売前から「高保湿・高発色・色が落ちにくい」といった特長などが多くのユーザーの興味を引き、美容関連のアカウントによるレビューが拡散され、製品の認知度を高めました。
発売日を迎える前にもかかわらず、すでにSNSで大きな話題となっており、発売後も多くの消費者がポジティブな感想を投稿する「バズる」状態に。
この結果、店頭ではしばらく製品が手に入らないほどの人気となり、その「希少性」がさらにSNSでの盛り上がりを加速させました。
まとめ
本記事では、Z世代マーケティングの価値観や消費行動への影響やZ世代マーケティングの成功事例をご紹介しました。Z世代は新しいトレンドや価値観の形成に影響力を持ち、デジタルネイティブとして多様な消費行動を展開しています。
この世代を無視すると、未来の市場での成功を逃すリスクが高まります。特に、Z世代はSNSや口コミを重視し、信頼性や透明性を求めるため、従来のマーケティング手法だけでは不十分です。
成功するためには、Z世代の特性を理解し、それに合わせた戦略が必要です。
自社のZ世代マーケティングの効果を最大化するためにも、本記事の内容を参考にしてみてください。
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