Z世代向けTikTokマーケティング!興味で突破する購買喚起とは?
本記事では、Z世代向けのTikTokマーケティングの重要性とその効果的な活用方法について掘り下げていきます。TikTokは、特にZ世代の間で大きな影響力を持っています。
この記事では、TikTokがZ世代マーケティングに不可欠なツールであると考えられている理由や、TikTokの特徴を明らかにします。「Z世代に対してTikTokマーケが効果的と聞くが、理由がいまいちわからない」という方はぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること
目次
Z世代とショート動画の可能性のポイントは視聴頻度の高さ
昨今ショート動画という言葉をよく耳にする方もいらっしゃるかと思います。ショート動画とは、数秒から数分程度の短尺コンテンツで、多くのショート動画はスマートフォンの縦画面に最適化されており、フルスクリーンでの視聴体験を提供しています。
まずは、Z世代におけるショート動画の視聴頻度に関する調査結果をご覧ください。
ショート動画が見られるという点においては、YouTubeショートもInstagramリールも同様ですが、最も頻度が高く視聴されているのは、TikTokという結果になりました。TikTokを主戦場としているTikTokクリエイターが多いことも一つの理由かもしれません。
また、他媒体と比較してもあまり見られない、独自の音源を使ったダンス動画やチャレンジ企画がTikTokの特徴です。流行りの音源やダンスのトレンドが頻繁に移り変わるため、トレンドに敏感なZ世代に人気だと考えられます。
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TikTokの期待役割・特徴
TikTokはパーソナライズされた情報接触で認知・興味喚起に有効
続いて、TikTokと他媒体を比較しながら期待できる役割や特徴について解説します。
弊社テテマーチではSNS時代の消費行動モデルとして、最適な情報に触れてから、ブランドと出会い、徐々に理解を深めて、購入、ファン化する一連の過程の頭文字をとって「PERCARS(パーカーズ)」を提唱しています。以下はデジタルネイティブ世代のカスタマージャーニーをTikTokとInstagramで比較したものです。
TikTokもInstagramもショート動画が最初の過程である「最適な情報に触れる」という役割を担っているという点においては同じですが、TikTokはInstagramと比較してコンテンツ視聴後にコメント欄を見て、ブランドの理解を深めることができる余地があります。そのため、ブランドと出会い、ブランドの理解を深める部分まで担っていると言えるでしょう。
一方、Instagramはリール(Instagramのショート動画)単体で見ると、最初の過程である「最適な情報に触れる」のみですが、リール以外にフィードやストーリーズや、商品タグ付け、ショップ機能などを通じてInstagram内で購買を簡潔させることができます。
このように、似た機能を持つ媒体として比較しているなかで、最初の接点は同じであるものの、その後の行動に与える影響が異なることがわかります。
TikTokとInstagramの違い
新しい出会いを作るTikTokのアルゴリズム
続いて、TikTokとInstagramの違いをお伝えします。大きく異なる点は2点あります。
まず一つ目は、アルゴリズムの違いです。TikTokでは、アカウントを立ち上げてから行う初回投稿が、すべての投稿が一定数のユーザーのフィードに必ず表示されます。
そのコンテンツのユーザーからいいね数、コメントシェア数、平均使用時間や視聴完了率に応じて優良なコンテンツと判断され、さらに次のユーザーに届くような仕組みになっているため、バズりやすくなっています。
つまり、地道にアカウントのフォロワー数を集めずとも優良なコンテンツを生み出せさえすれば、多くのユーザーとの接点を持つことができます。
TikTokは新規の投稿者に優しいという話がありましたが、よく聞く「TikTok売れ」はどのようにして起こるのでしょうか?
以下の調査データはByteDance社が出しているものです。
従来のマーケティングファネルでは、認知→興味→検索→購買という形でよりボトムに近づくほど購買相関係数が高いと考えられていましたが、こちらの資料では「検索」よりも「興味」の方が購買との相関があるというデータがあることを示されています。
こちらを踏まえると、企業は、視聴者がTikTokで自分のおすすめで流れてきた動画に興味を持たせることができれば購買に最も影響を及ぼす状態が作れるといえます。
これが購買チャネルをアプリ内で持たないにも関わらず、TikTok売れという概念が誕生している理由の一つです。
TikTokのコンテンツ性質
TikTokとInstagramの2つ目の違いは、コンテンツの性質です。
以下の表はInstagramとTikTokを4つの項目に分けて比較したものです。
Instagramの投稿は、洗練・視覚・美的感覚といった情景中心であるのに対し、TikTokはもう少しラフで奇抜さや寸劇・ジョークといったやや日常的なおもしろいコンテンツが主流です。
また、Instagramはフォロワーを獲得してストックしていくのに対し、TikTokはあまりフォロワー数にフォーカスされずコンテンツ単体で再生回数がどれだけ伸びたのかを見ることが多いです。
これらを踏まえ、Instagramはアカウント全体の世界観をフォロワーに伝える【アカウントベース】な媒体であるのに対し、TikTokはアルゴリズムをもとにしたコンテンツ単体で新規のユーザーにリーチし偶発的な接触を最大化する【コンテンツベース】の媒体となります。
また、ユーザーが各媒体を見るモチベーションにも違いが見られます。
以下の画像はInstagramとTikTokそれぞれのフォロワーランキングを調査したものですが、ご覧頂くとわかるように、Instagramのフォロワー数上位は芸能人やモデルが占めている一方、TikTokはマスタレントよりもクリエイターがランキング上位を占めています。
なぜこのような違いが生まれているのでしょうか。
これは、Instagramが洗練・視覚・美的感覚といった情景中心であるのに加え、自分の好きなものをフォローしそれキャッチアップして楽しむ媒体である一方、TikTokは「おもしろい優良コンテンツ」を評価して投稿のリーチが伸びていくため、世間的には知名度が高くないクリエイターが上位を占めてると考えられるでしょう。
TikTokでは、再生回数が多い投稿を連発できるようなTikTokのトンマナを理解したクリエイターが人気となっていると考えられます。
▷TikTokマーケティングとZ世代向けプロモーション事例をまとめた資料はこちらからご覧ください
Z世代に刺さるTikTokプロモーション施策事例
ここから、TikTokを使って興味をもってもらうためにどういったコンテンツを考えたら良いのか、いくつか具体事例をご紹介します。
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WetBrush:ウェットブラシ
ウェットブラシは世界70ヶ国以上で愛され、アメリカで人気のプロフェッショナルブラシです。
ダメージヘア、ウェーブヘア、細い髪、ウィッグやエクステをつけた髪も傷つけることなく、軽くブラッシングするだけでトリートメント後のような指通りの良いツヤサラ髪へ整えることができるという点が支持されています。
TikTokでは、ウェットブラシに関するクリエイターの投稿が再生回数210万以上、いいね数11万、保存数6000という数値を叩き出しています。クリエイターさんの人気度合いにもよりますが、PRで再生回数100万を超えてくる投稿は多くないので、非常に多くの人に影響を及ぼしていることがわかります。
こちらのクリエイターは、アヤノダガネさんというフォロワー数が100万人を超えている大人気クリエイターです。過去の投稿で長い髪をなびかせたダンスを頻繁にアップしており、以前シャンプーのプロモーション案件動画を受けていたこともあり、商材との親和性が高いことが伺えます。
また、アヤノダガネさんのファンは、非常に印象深い長い髪の毛を生かして作った「髪乾かす時間も とってもめんどくさい」という即興ラップが流行った経験があります。この音源を冒頭にもってきて最初の2秒でファンを引き付け、興味喚起ができたという点も優れているポイントです。TikTokでは美容商材のプロモーション案件が多く、レッドオーシャンのため、依頼するクリエイターを誰にするのかは非常に肝になります。
このように、過去にバズった動画に関する知識に、プロモーションを成功させるヒントが隠れているかもしれません。
実際のコメントでは、「髪の毛がキレイすぎる」というような髪質に対するものだけでなく、「私も買ってみました」というような購買意向が高いコメントも多くありました。
長い髪を動画の中で乾かして時間を計測しているので、定量的に理想と現状のギャップを生み出すことがうまくできている事例と言えます。
さらに、「私も使っています」というような既存ユーザーからのコメントもいくつか見られ、それに対して新規ユーザーからの質問が生まれるなど、商品の理解促進がコメント欄で行われていました。
このように、ユーザー同士が商品に関して会話しあう状態を作ることができるという点がPR投稿の1つの価値といえると思います。
創味食品:ハコネーゼ
続いては、TVCMなどでもおなじみのハコネーゼの投稿に関してご紹介します。電子レンジで1分温め、ゆでたてのパスタにかけるだけで簡単にプロの味が楽しめるのが特徴です。
このブランドのPR投稿の再生回数は290万、保存も1.5万とかなり高いエンゲージメントを獲得しています。再生数に対して、保存数が多いということは、「あとで見たい」「買いたい」といった購買意向が高いユーザーが多いことも伺えます。
投稿したのは、ハシダさんという普段から簡単レシピを考案しているクリエイターです。こちらはプロモーション投稿であるなしに関わらず、非常に説得力のある投稿内容であるため、PR投稿であっても保存数が1.5万件という驚異の数値をたたき出していると考えられます。
こちらの動画では、本来パスタのソースとして食べられるものをリゾットとしても簡単に美味しく食べることができるということを中心に紹介しています。
「食器を使わないのは強い」「この発想はなかった」など商品に対するポジティブなコメントだけではなく、1人暮らしをしたら毎日3食これにしよう、というような購買意向の高いコメントも見られました。
このようなコメントから依頼元の企業は、プロモーション投稿を通じて、「こういう訴求をしたらユーザーの心に刺さるんだ」という気づきを得ることができます。
伝えたいことを1点に絞り、強烈な印象をまず与えることがより「興味」をもってもらうために必要なのではないでしょうか。
サクラクレパス:ミックスライン
最後に、サクラクレパスが出しているブランドの「ミックスライン」です。
アンダーラインが同時にひけるという点が特徴のラインマーカーで、おしゃれに文字を強調したいというユーザーがターゲットとなっています。蛍光ペンとしての機能に加えアンダーラインが同時に引ける新構造の商品で、複数のラインナップが出ています。
こちらのプロモーション投稿も再生回数200万以上、いいね数9万、保存数1万という結果となっており、購買意向の高さが保存数に出ているように見えます。
投稿しているのは、いゆぴさんという「勉強時間を楽しくデザインしたい」というコンセプトで動画を発信しているクリエイターです。このクリエイターの動画コンセプトがミックスラインのブランドの方向性とうまくマッチしています。
いゆぴさんのフォロワーは、勉強時間を楽しくするノウハウや商品の情報のニーズが高いことが伺え、このプロモーション投稿も通常の投稿と同様、違和感なく受け取ることができます。
プロモーション投稿では、実際にミックスラインの強みを生かしながら具体的にどのようなシーンで利用できるのかわかりやすく紹介しています。
実際に寄せられているコメントでも「買っちゃおう」「どこで売っていますか?」など購買意向の高いコメントも多数見られました。単価が安いため、TikTokをきっかけに購買に繋がりやすい商材です。新しい機能的価値がある商品は、理想と現状のギャップを生みやすいのでTikTokと親和性が高いと考えられます。
まとめ
本記事では、Z世代向けのTikTokマーケティングの重要性とその効果的な活用方法について解説しました。TikTokは優良なコンテンツを生み出せさえすれば、多くのユーザーとの接点を持つことができます。また、事例でもご紹介したとおり、企業がクリエイターにプロモーション投稿を依頼する場合は、商品とクリエイターの親和性がポイントになっています。自社のTikTokマーケティングの効果を最大化するためにも、本記事の内容を参考にしてみてください。
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